大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)5002号 判決

原判決が検第四十五乃至第四十七号の各書面即ち共犯にして原審の共同被告人である高野治男に対する検察官並びに司法警察員作成の各供述調書を証拠に引用して他の証拠と相俟ち被告人に対する原判示犯罪事実を認定していること並びに被告人及び弁護人が原審公判において、右書面を証拠とすることに同意していないことは所論のとおりである。

しかしながら、刑事訴訟法第三百二十二条第一項に所謂「被告人」中には共犯たる共同被告人も含まれるものと解するを相当とし且右書面は同条第一項同法第三百二十五条所定の要件を満しているから原審が右書面の証拠調をした上之を事実認定の資料としたことは何等違法ではない。蓋し共犯たる共同被告人の取扱いの公平を期するため之を合一的に処理すべきことは法の要請であるのみならず「刑事訴訟法の解釈としても共犯者に対する時効告訴等に関する規程に徴し右の原理は容認せられていると解すべきこと」並びに共犯たる共同被告人及びその弁護人は刑事訴訟法第三百十一条第三項により公判において何時でも他の共同被告人の供述を求めることができ反対尋問の機会は十分に与えられている点に徴し共犯たる他の共同被告人に対する検察官並びに司法警察員作成の供述調書は刑事訴訟法第三百二十一条第一項所定の書面ではなくして同法第三百二十二条第一項所定の書面に該当するものと解するを刑事訴訟法の精神に最も適合するものと言わなければならない。之を本件について看るも本件記録によれば被告人及び原審相被告人高野は終始原審公判に出頭しており被告人及びその弁護人に右高野に対し常に供述を求める機会は与えられていたものであつて、原審第四回公判においては被告人の弁護人から右高野に対し種々反対訊問をしているのである。

従つて論旨は理由なきものと言わなければならない。

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